医療管理職スターター by BRIDGE

上司報告・数字 KPI 数字 実績管理

医療管理職が最初に見るべき数字

公開 2026/07/18 更新 2026/07/18 執筆 橋本渉(BRIDGE)
この記事で分かること
  • 最初に見る数字の選び方(3系統から3つ)
  • 職種別の代表的な数字
  • 数字をチームへ伝えるときの注意
このような方向け

「数字で説明して」と言われて困っている管理職。稼働率・生産性などの言葉に馴染みがない方を想定しています。

結論 — 最初は3つだけ、毎月同じ日に見る

KPIの体系を作る必要はまだありません。最初にやることは、実績・人・安全の3系統から数字を1つずつ(計3つ)選び、毎月同じ日に同じ数字を見ることです。分析より先に、定点観測の習慣を作ります。3つで物足りなくなってから増やせば間に合います。

なぜ難しいのか — 数字は散らばっていて、言葉が違う

医療機関の数字はレセコン・勤怠・インシデントシステム・紙の日報に散らばっており、「どこを見ればよいか」の段階でつまずきます。加えて、稼働率・生産性・単位数といった言葉は職種や施設で定義が微妙に違います。分からないのは経営感覚の欠如ではなく、所在と定義をまだ教わっていないだけです。

3系統と職種別の代表例

系統見るもの職種別の例
実績チームの仕事量・提供量リハ: 単位数・実施率 / 外来: 患者数・キャンセル率 / 訪問: 訪問件数・新規依頼数
チームの持続可能性残業時間・有給取得・欠員(共通)
安全質のシグナルインシデント報告件数・種類(共通)

どれを選ぶべきかは上司に聞いてしまうのが最短です。「毎月見るべき数字を3つ挙げるとしたら何ですか」という質問は、報告の期待値合わせにもなります。

数字の使い方 — 判断より変化を見る

  • 最初の数か月は、良し悪しの判断をしなくて構いません。「先月と比べて増えた・減った・同じ」を言えるだけで、上司報告の質は目に見えて変わります。
  • 変化に気づいたら、原因をチームに聞きます。数字はメンバーを責める道具ではなく、対話の入口です。「残業が増えていますが、現場で何が起きていますか」と事実として扱います。
  • インシデント報告の件数は「少ないほど良い」と単純に読まないでください。報告しやすい文化では件数が増えることがあります。種類と重症度をあわせて見ます。

よくある失敗

  • 最初から指標を10個並べる — 更新が続かず、全部を見なくなります。
  • 数字だけで目標を下ろす — 背景の説明なく「単位数を上げてください」と伝えると、現場は品質を削って数字を作ります。目標は理由とセットで。
  • データ整備を待つ — きれいなダッシュボードは要りません。手書きの月次メモで十分に機能します。

今週やること

  1. 上司に「毎月見るべき数字を3つ挙げるなら」と聞く
  2. その3つの所在(誰に頼めば出るか)を確認する
  3. 今月分を上司報告フォーマットの「状況」欄に1つ入れてみる
注意事項
この記事は一般的な進め方の整理です。労務・法律・人事制度・メンタルヘルスに関わる個別の判断は、所属法人の規程と専門部署・専門家(人事・労務・産業医など)への確認を優先してください。