1on1・メンバー対応 退職相談 メンバー対応 面談
部下から退職相談を受けたとき最初にすること
この記事で分かること
- 退職相談の初回面談でやること・やらないこと
- 「相談」か「決意」かの見分け方
- 上司・人事への共有の仕方
このような方向け
メンバーから退職の相談を受けた、または受けそうな管理職。初めての退職対応で動き方が分からない方。
結論 — 最初の面談では、決めない・約束しない・広めない
退職相談を受けた最初の面談ですることは3つだけです。時間を取って聞く。事実を整理する。次の面談を約束する。逆にしてはいけないのは、その場での引き止め・条件提示・受理の即答、そして本人の同意なく周囲へ話すことです。初動で信頼を守れれば、相談の余地がある場合の選択肢が残ります。
なぜ難しいのか — 突然来るうえに、自分のせいだと感じる
退職の申し出は多くの場合、突然に見えます(本人の中では長く続いた検討の結論です)。新任管理職はこれを「自分の管理のせいだ」と受け取りがちですが、退職理由は家庭・キャリア・処遇・人間関係など複合的で、管理職ひとりの力の範囲を超えるものが多く含まれます。退職を防ぐことは管理職の義務ではありません。誠実に対応することが役割です。
初回面談の進め方
- 場を整える — 立ち話やナースステーションで受けたら、「大事な話なので時間を取らせてください」と個室での面談に切り替えます。
- 聞く — 理由を決めつけず、本人の言葉で話してもらいます。「差し支えない範囲で、背景を聞かせてください」。反論も説得もまだしません。
- 相談か決意かを確かめる — 「まだ迷っている段階ですか、それとも決めた報告ですか」と率直に聞いて構いません。ここで対応が分かれます。
- その場で約束しない — 「給与を上げるよう掛け合う」「夜勤を減らす」などの条件提示は、権限の裏付けなくその場でしてはいけません。守れなかったとき、退職理由がひとつ増えるだけです。
- 共有の同意を取る — 「この話を上司(と人事)に共有してよいですか。それ以外には話しません」と確認します。
- 次の面談日を決める — 1〜2週間以内に設定し、それまでに自分は上司と対応可能な範囲を整理します。
相談段階だった場合
迷いの背景が業務量・分担・人間関係など職場側で調整できる可能性のあるものなら、対応できること・できないことを上司と整理したうえで、次の面談で正直に伝えます。できないことを曖昧に匂わせるのがいちばん不誠実です。なお、調整しても本人がキャリアとして退職を選ぶことはあります。それは失敗ではなく、本人の選択です。
決意が固い場合
受け止めて、事務手続き(退職願の提出先・時期)は法人のルールに従って案内し、引き継ぎの計画に頭を切り替えます。担当業務の棚卸しと引き継ぎ先の設定は、業務の書き出しシートがそのまま使えます。最終日まで気持ちよく働いてもらうことが、残るメンバーへの最大のメッセージになります。
注意が必要なケース
- 心身の不調が背景にある場合 — 退職の判断より先に、産業医・医療機関への相談を案内し、人事と連携してください。不調の程度を管理職が判断しないでください。
- ハラスメントへの言及がある場合 — 自分だけで預からず、法人の相談窓口・人事へ本人の同意を得てつなぎます。事実認定を自分でしないでください。
- 処遇・契約に関わる話 — 退職金・有給消化・退職日などの条件は人事・労務の領域です。自分の理解で回答せず、確認して答えます。
今週やること
- 該当者がいなくても、「退職相談を受けたときの流れ」を今日の内容で1枚のメモにしておく(突然来るものだからです)
- 法人の退職手続きのルール(提出先・期限)を確認しておく
注意事項
この記事は一般的な進め方の整理です。労務・法律・人事制度・メンタルヘルスに関わる個別の判断は、所属法人の規程と専門部署・専門家(人事・労務・産業医など)への確認を優先してください。